80's ROMANCE in TOKYO Version4 @ wedge

Report 序章

Report by Amabile Report by Conta

■ 決戦前夜
夏の恒例イベントになった80's ROMANCE in TOKYOも今年で4回目。でも何かがいつもの年と違う。そう今年はオリンピック・イヤーなんです。ぼくはそのルックスとは裏腹にスポーツ観戦が好きだったりするのだ。よって当然前夜はオリンピックで日本のお家芸である柔道を観戦。
田村、いや谷、金メダル。やった!2連覇だ。すげぇ。
野村も金メダル。なんと3連覇!グレイト!
いやぁ、最高の気分で東京に行ける。明日の朝は早いしもう寝よう。おやすみなさい。
(30分経過)
ダメだ。ね、ねむれない。W金メダルで興奮してしまったようだ。しょうがないからもうちょっとオリンピック観ようか。女子サッカーの予選がやっていた。なめてたけどちゃんと組織プレーもするしこれがけっこう面白い。でもハーフタイムになったのでここで寝よう。おやすみなさい。
(20分経過)
ダメだ。ね、ねむれん。なんか川上選手がちょっとだけかわいく見える。どうせなら後半戦終わってから寝よう。0-1惜敗。ちくしょう。何度も決定的な場面あったのに。まぁいいや、明日も早いしいい加減寝よう。おやすみなさい。
(?分経過)
ダメだ。じぇんじぇんねむれん。やう゛ぁい。とりあえずオリンピック観てみよう。男子体操の予選。おもしろい。すごいぞ日本。いつの間にこんなに成長したんだ。これなら再び世界と戦えるじゃないか(団体金メダルおめでとう!)
うーん、着地とか手に汗を握りますね。いやほとんど着地が全て。
(?時間経過)

というわけでなんか気づいたら朝だった。80's ROMANCE in TOKYO4回目の朝は完全に寝不足だ。でも今年はパンクでいこうと決めてたので、がんばってお店へ早く行って髪の毛を逆立ててみた。今年は9時出発ということにしたんだけど、どうせ遅れると思ってたREUがちゃんと9時前にお店に来た。えらいぞREU!
今年は残念ながらレギュラーDJのTAK-Cが、翌日仕事のため不参加。どうしても休みがとれなかったらしい。さてはオリンピックとGI決勝を観るつもりだな?
当然某ダンサーズの某ちかちゃんも不参加で、去年に続いて某ダンサーズの某ぽんちゃんも不参加。お客さんは年々増えていってるというのに、名古屋から行く人は年々減っていく。こんなことでいいのかダンサーズ。誰が日本の平和のために戦うんだ。おれか?ダメだ、おれは弱い。あまりにも弱い。
せっかく初の日曜開催なのに翌日が仕事じゃしょうがない。というわけで今年は少数精鋭で東京公演に出陣という運びになりました。100万枚のレコードを車に搬入して9時を少し回ったところで無事名古屋を出発。

トイレ休憩のためインターで、REUが「新日本プロレス 最強バトル列伝」というDVD付きのお菓子を持ってきた。こういう時のREUは子供だ。本当にうれしそうです。ぼくもほしかったので370円だしとりあえず2つ買ってみた。そしたら見事に2人ともシークレットがいきなり出ちゃいました。これは幸先いいぞ(だがREUは帰りにも1つ買ってまたしてもシークレットを出してしまう)
車の中でREUに9月の80's ROMANCE5周年記念のCD作成をお願いしようと思ったら、なんと東京用にCDを作ってきてた。しかも2種類各20枚で計40枚も!すごいぞREU!今まで君のこと誤解してたよ、ゴメンよ。でも作るならせめて前日までに連絡してくれよ。掲示板にも何もそんなこと書いてきてないじゃん。だって先着CDプレゼントありなら、みんな少しは早く来てくれるかもしれないもんね。
というわけで早速かべさんに連絡をとって、ぼくの掲示板に書き込んでくれるようお願いした。先着40名だとありがたみがないので、一応20名ということにしておいた←ずるい
mixiの方にはスタッフでもなんでもないgoさんにお願いしてしまった(打ち上げでごちそうしたから許してね)今年は大した渋滞もなく、予定通り2時ジャストにNWの聖地下北沢に無事到着した。

かべさんの姿が車の中から見える。今年もちゃんとwedgeの前に駐車場を確保していてくれた。車の中から手を振る「かべさぁーん!」
かべさんも笑顔で手を振る...なんてことはなく例によって低姿勢でペコペコお辞儀をしている。おれはかべさんの上司か?社長か?かべさんはおれの部下か?もうホントに何度会っても礼儀正しくて律義な人だ。それに比べておれはなんたる無礼者。無法者。でもかべさんもベッドの上、じゃなくてフロアだと暴れん坊将軍なのだ。
というわけで東京支部長のかべさんとひさびさの再会。過去3回同様、今年も東京での宣伝活動を1人でがんばってくれたかべさん、ここまで本当にありがとう。「あとはぼくたち名古屋軍に任せてもう帰っていいですよ」なんて冗談が心の中で浮かぶがそんなこと言うわけない。今年は3時に会場に入るのでとにかくまず食事だ。迷った末リッチに去年も行ったイタリア料理のフルコースに決定(去年はフランス料理だったか?いや、ラーメンだったかも)

去年ついに出会いサイトデビュー、じゃなくて携帯を手にしたダンサーズ東京支部長Contaさんはちょっと遅れるらしい。ええっ、せっかくお昼いっしょに食べたかったのに。ぼくの嫌いなラーメンのねぎをContaさんの器の中にそっと入れてあげたかったのに。と残念に思ってたらもう下北に到着したとContaさんから電話が。お店は去年と同じスペイン料理のお店だったので、そこに直接来てくれることになった。
ぼくと同じものを頼んでおいてと言われたが、メニュー見てるうちに魂胆到着。Contaさんは去年同様頭を丸めていて、今年の一揆にかける意気込みが伺えた。んで結局Contaさんはぼくと全然違う庶民の食べ物を注文する。

腹ごしらえもしてwedgeに連絡してみるとまだお店の人が来ていない。それならレコファンだ。やった!レコファン好きだ。でも3時まで10分しかないぞ。みんな急げ!おれに続け!
おお、ニューオーダーのリミックス盤の12インチ発見。新品だ。どうする?名古屋でもあるか?ニューオーダーならあるだろう。悩む時間がもったいない。とりあえずみんな大好き100円コーナーだ!
無情にも10分はあっという間にすぎてしまい、何の収穫もなく終わる。REUはしっかりCD数枚買っていた。さすがだ。

名古屋を出発してから6時間、NWの聖地であるwedgeについに到着。東京では2年連続同じハコなのは初めてのことだ。でも同じハコだとなんか帰ってきたみたいな感じで懐かしい。DJブースに入ってみるとCDJが最新式の大きいやつだった。すっげぇ、カッコいい!使えるのかこれ?まぁ、いいや。
去年99人と100人にあと1歩だった去年の雪辱を晴らすべく、お店を休んで初の日曜開催に踏み切った今年の80's ROMANCE in TOKYO。ついにその狂乱の一夜がスタートしてしまったのであった。

■ Prologue
2004年、夏。お盆の東京。さあ、今年もまた"80's ROMANCE"という気高き旗を掲げたNew Waveの使者たちが名古屋からやってくる。しかし残念ながら、仕事の都合でDJのTAK-Cさん、そしてダンサーズのちかちゃん&ぽんちゃん&よしえちゃんの計4人が欠場という過去一番の少編成。そしてよしえちゃんは引退という情報が・・・さ、寂しい(泣)。でもその分、Amabileさん&REUさん&μraさんの3人が彼らの分まで盛り上げてくれるに違いない。一方、東京サイドで迎え撃つは、No.1ホストDJの呼び声高き真摯かつ紳士な気配りDJかべさん、そして、時代を問わずヴィヴィッドな音を精力的に発掘/発信し続ける高感度レーベル"excellent.records"代表SAKUMAさんのお二人だ。昨年末、全国9000万のロックファンに惜しまれつつ幕を閉じた渋谷のレコード店"ROCKSHOP"も経営されていたSAKUMAさん、その閉店セール時に自身のレコまで放出してしまったんでは!?との噂がまことしやかに流れたが、大丈夫だろうか? 華麗なDJプレイへの影響が心配だ。でもそんな心配は微塵も必要じゃなかったことが、今宵の怒濤のプレイにて立証されることに・・・。

猛暑続きで記録的な暑さの今年の夏だったが、この日に限ってなんと朝から冷たい雨。オーマイガッ!ちょっとテンション下がるじゃ〜ん(泣)。昨日まで続いた都内の連続真夏日も、40日という観測史上新記録でストップだ。・・ん?新記録?? 待てよ、逆にある意味縁起が良いのかも!?・・・なんて今考えるとちょっと思ったりもする。そう、それを「集客」という点に置き換えれば。しかし、出陣前の気分はやっぱりちょこっとグレイ。でもそんなモヤモヤした気持ちをくんでくれるかのように、午後に向かって空は次第に泣き止んでくれたので一安心。あーよかった。

熱戦の舞台は去年同様、下北沢にあるWEDGE。過去3回は毎回ハコを変えてきた80's ROMANCE in TOKYOだが、去年のWEDGEでの感触が思いのほか良かったということで、初めての同一ハコ開催。ダンサーズ東京支部長(ていうかダンサーズは今回ただ一人?ロンリーダンサーなの?さびちー!)の僕は、去年の「一揆」のあの熱気を脳裏に蘇らせながら、期待に胸が高鳴る。そして今年は初の日曜開催。どのくらいのペースでお客さん入ってくれるだろう?と、これまたやっぱりドキドキ気分。Amabileさんたちとは、去年と同じく下北で14時頃の待ち合わせだ。でも気合い十分なはずなのに僕はちょびっと遅刻をしてしまった。ゴメンナサ〜イ。WEDGE同様、食事場所も去年と同じくあのフランス料理店・・・じゃなくラーメン屋へと、僕は急いだ。

そしてまた、これはある意味名物といっても良いのだろうか、反逆のカリスマ美容師Amabileさんの、その妖艶なるゴスプレぶりが今年も楽しみだ。ある時は暗黒のロバート・スミス兼リチャード・バトラー兼デヴィッドJ、またある時は純白のフリルを華麗にまとう一人スパンダー・バレエ、またある時は暗闇の帝王アンドリュー"サングラスは顔の一部です"エルドリッチ、あるいはマラカスをマイク代わりに歌うボビー・ギレスピー。一体どれが本当の姿なの!? その神秘のヴェールに包まれた素顔を知る者はまだ誰もいない・・・ことはないだろうが、毎年変幻自在に我が身を染めてくれるAmabileさん。しかもどれもキマっててカッコイイのだ。そんなさすらいのカメレオンDJが選んだ今年のカードはズバリ"PUNK"。首に巻かれたバンドには刃渡り10cmはあろうかという(実際は1cmほど)鋭利なシルバーの鋲が妖しく光を放つ。うっかり声をかけようものなら振り向きざまに顔面が血に染まりそうだ。う〜んデンジャラス! 両手にも、鋲が打たれた黒と赤のリストバンドを装着。何でもまだ物心つかない幼少時代からの愛用品らしい。おしゃぶりよりも先に与えられたという伝説もある。もちろん、今作った伝説だ。それにしても、去年のグラサンよろしく恐ろしいほどカラダの一部と化している。物凄い気迫だ。こんな格好ではネオアコやファンカラなどはおよそかかるまい。僕も去年同様、短髪で臨んで良かったと思った。気分はすでにビリー・アイドルだ。というか、昔髪を染めたらビリー・アイドルみたいと言われたことがある。それだけだ。

そんな気迫と気迫のぶつかりあうような再会を果たしつつ、まずは腹ごしらえ。一年ぶりの再会に話も弾む・・・はずなのだが、なぜか一年ぶりという感じがしない。まるで一週間前に会ったかのような親近感。そして違和感(笑)。普段ネットでは頻繁にやりとりしてるし、Amabileさんとももうかれこれ17年くらいの付き合いか? そんな連帯感からだろう、そうに違いない、と細かいことは気にせずにとりあえず僕は「塩冷やし中華」なるものをオーダー。待ち合わせ時間に遅れそうだったのでAmabileさんと同じものをと思っていたが、なぜかあったかいのより冷たいのが食べたい気分で結局はっちゃんと同じ物を注文していた(笑)。ちなみにAmabileさんはあったかいやつ。一緒にキャビアも注文していて美味しそうだったが(実際は鶏のたまご)、二児の父である僕はここはストイックに一皿のみで。大きめにカットされたネギがやや辛かったがなかなかに美味。よし、これで腹ごしらえはOK牧場。あとは水分補給のペットボトルをコンビニで買えば準備万端。去年の教訓を活かして今年はバッグに忍ばせておこう。没収されないように(笑)。口の中に残ったネギの臭みを取るため兼デザート代わりのアイスも購入し、さあいざ出陣!・・・の前に、例によって、行く道すがらにあるレコファンだけはとりあえずチェッーク! まだ10分ほど時間があるらしい。こんな時でもジャンキーだ。俺の生き様を見ろ!と豪語しながらレコファンに突入するAmabile隊長の後をみんなで追う。結局僕は何も収穫はなかったが(というかやっぱり時間がなさすぎた)、REUさんだけは何かCDを抱えていたようで流石。そんなこんなでそろそろ時間となり、いよいよ熱戦の地WEDGEの空間と一年ぶりのご対面だ!

地下へと降り、扉を開ける。去年「木登り」をしたあのブースの壁が目に飛び込んでくると、懐しさに思わず目頭からドッと汗が吹き出す思いだ。嗚呼、一年前の熱気がフィードバック・・・と、感傷的な気分に浸る間もなく、スタッフの方にあいさつをすませ、レコード類をブース下へと運ぶ。僕もここぞとばかりにスタッフらしい働きをしようとレコ運搬に加勢するが、大柄なμraさんが両手にガッとレコを抱えた時点ですでに自分の手伝う分はあんまり残ってなかったような気が。まあいい、自分の本業はサクラ・ダンサーズ。愛と正義と平和のため、誰もいないフロアを温めるのが最大の使命なのだ。そう、自分に言い聞かせる。

スタッフの人が機材の使い方の説明を始めた。レコを回さない自分は聞く必要ないのだが、横から何となく耳を傾ける。でも邪魔なのでやっぱりどく。CDプレーヤが新調されており、アナログタッチな頭出しが可能になったらしい。うーん、見てるだけでもカッコイイな。イベントのチラシをブース下の壁に貼ったり、マラカス&タンバリンの小動具をチェックし、気分は早くもマッドチェスター・レイヴ・オン!なAmabileさん。パンクな強面ルックとは裏腹にマメである。そして名古屋でも愛用されているというジャケ・ディスプレイ用のスタンドをセットするが、脚が長過ぎてDJプレイを妨げそう。でも機転を利かせ、脚を外してガムテープで固定すればあ〜らピッタリ! 照明も薄暗くし、七色に輝くミラーボールを回せば、そこはもう魅惑の社交場80's ROMANCE in 下北沢。今宵あなたをNew Waveという素敵なマジックで酔わせまくります。ニヒルに微笑むAmabileさんの瞳の奥からはそんなメッセージが発せられていたに違いない。

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